確定日付の付与
確定日付は,公証人が文書に確定日付印を押捺すると,当該文書がその確定日付当日に存在したことを証明することができるという制度です。(当該文書の成立や内容の真実性について証明するものではありません)
債権譲渡の対抗要件に必要なものとしてよく知られて来ましたが,近年は,知的財産権あるいはノウハウを守るための証拠保全方法として再認識されています。平成18年に特許庁が発表した「先使用権制度の円滑な活用に向けて-戦略的なノウハウ管理のために-」(ガイドライン)で実例とともに推奨されたことにより一層注目されることになりました。
確定日付を取得するためには
(1)私文書であること
公文書はその作成日が確定日付となります。また、私文書に官公署など公的機関
の担当官の押印が付された場合は、その押印付与日が確定日付となります。
(2)文書作成者の署名または記名押印がなされていること
押印は実印・認印のどちらでも構いません。
(3)形式上完成している文書であること
後日記入を予定している未完成な文書は,確定日付を付与できません。
空欄部分について付記した上で確定日付を付与することになります。
(4)記載内容が法律や公序良俗に反するものであったり,無効な事項を記載したもの
ではないこと
などの要件が求められます。
確定日付の付与の請求は,文書の作成者だけではなく,代理人によって行うこともできます。
他の公証手続と異なり,作成者からの委任状などの提出は不要です。
電子確定日付
日付情報の付与(電子確定日付の付与)は、嘱託人が日付情報の付与を希望する電子文書(PDF形式、テキスト方式またはXML方式)をオンラインで申請していただき、その申請に公証人が日付情報を付与して、オンラインで交付いたします。
電磁的記録の認証(電子定款・電子私署証書認証)とは異なり、電子文書に嘱託人の電子証明を付与する必要はありません。
1.法務省の『登記・供託オンライン申請システム』のホームページより、同システム
の利用登録やオンライン申請に必要なソフトウェア・手順書等をダウンロードして、
オンライン申請のための事前準備を行う。
2.日付情報の対象となる電子文書、日付情報の付与のオンライン申請日、日付情報の
申請件数と電磁的記録の保存希望の有無を当役場へメールで送信いただき、事前の
確認を行う。(オンライン申請日=日付情報の付与日となります。)
3.当役場より、担当の公証人、オンライン申請日及び手数料のお支払いについての確
認のご連絡をいたしますので、オンライン申請日の前日までに手数料をお支払いく
ださい。
4.申請日当日、『登記・供託オンライン申請システム』より、担当の公証人に対して
日付情報の付与のオンライン申請を行う。
5.公証人による日付情報の付与が完了すると、『登記・供託オンライン申請システム』
を介して、嘱託人へ日付情報が付与された電磁的記録が送信される。
<手数料>
・日付情報の付与 700円
・記録の保存手数料 300円 *記録の保存を希望される場合
嘱託人の希望により、オンライン申請をされた電子文書と日付情報の付与の記録
を20年間保存いたします。後日、紛失等により同じ記録が必要となった場合に、
申請をして再交付を受けることができます。
記録の保存希望の有無は、日付情報のオンライン申請の際に嘱託人が選択してい
ただくため、当初の日付情報の付与の申請時に、記録の保存希望を「有」にしな
かった場合は、対象の電子文書や日付情報の記録が保存されないため、記録の再交
付を受けることはできません。
その他、日本公証人連合会のホームページも併せてご覧下さい。